【戦国トリビア】火縄銃の威力ってどんだけだったの?

コンバンワ、経塚丸雄です。

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どこが「戦国好きの犬漫画」なのか!

戦国の「せ」の字も出て来ないではないか!

いつの間にか「犬漫画」は「犬猫漫画」に変容してるし!

 

――との、一部読者層からのゲロ厳しい批評に耐えかねて、

せめて週に一、二度は「戦国トリビアでも書いてみようか?」と考えております。

 

記念すべき第一回目のトリビアは――火縄銃の威力ってどんだけだったの? です。

 

  弾丸の重さ(※1)、有効射程(※2)、ともにノンライフル(※3)であることなどを勘案すれば、戦国期の火縄銃は、現代の二十番散弾銃(※4)でスラグ弾(※5)を撃った場合に匹敵する威力だったと推察しております。

 

ほら……小難しいでしょ?

クピレイの馬鹿話の方が面白いんじゃないのかなァ? ブツブツ。

 

※1

鉄砲足軽たちが長篠戦などで使った標準的な火縄銃は「6匁筒」です。

6匁筒とは、6匁(=22.5g)の鉛弾を撃ち出せる銃という意味です。

現代の猟銃で二十番という散弾銃がありますが、これも22.5gの鉛弾を射出します。

 

※2

6匁筒で「狙って撃って命中させられる距離」は、およそ「半町(約55m)です。

鉄砲隊の小頭たちは、敵を半町まで引き寄せてから「放て!」と命じたはずです。

現代の銃でも、散弾銃で狙える距離は50mが精々だと思います。

 

※3

銃身にライフル旋条が施されているのがライフル銃。

施されていないのがノンライフル銃という分けです。

ライフル旋条は弾丸に回転を与えるのでジャイロの働きで、弾が真っすぐ飛びます。

当然、ノンライフル銃身で撃つと、弾道は荒れ、命中精度は下がります。

 

※4

二十番散弾銃とは「1ポンド(450g)の20分の一の鉛弾を射出できるショットガン」

との意味です。

他に十二番散弾銃などがよく使われますが、こちらは1ポンドの12分の一の鉛弾を撃ち出せるショットガンの意味です。

 

※5

散弾銃は文字通り「散弾」を撃ち出す銃ですが、クマやイノシシなどの大物は粒々の小弾では倒せないので、一発弾を使います。これをスラグ弾と呼びます。

中には、スラグ弾自身に溝を刻むことで回転させる(命中精度が向上)ライフルドスラグ弾もあります。ライフルドスラグなら100mぐらいまでは狙って当てられます。

 

 

二十番散弾銃と一発弾を猟師に持たせれば(北海道のヒグマは無理でも)、小柄なツキノワグマやイノシシなら「なんとか倒せる」威力があります。

つまり、敵陣へと突っ込む戦国の武士たちは、とてつもなく強力な武器で狙われていたということになりますね。

勿論、半町以内で命中すれば甲冑など、簡単に貫通しました。

(よく、被弾した痕が凹んだ胴(=弾が貫通しなかった胴)を見ますが、あれは甲冑師が自分の作品の強度を誇るため、弱装弾(火薬の量を減らして発砲)撃ち込んだものと思われます)

 

例外として、大名級が着用する高価な南蛮胴だけは、ギリで弾を防いだようです。

永禄6~7年の三河一向一揆の際、若き日の家康は胴に弾を二発食らったが「ぶ厚い南蛮胴のおかげで命拾いした」とも……あら、危機一髪だこと、ウフフ。

 

それではまた、明晩19時に! 

 

 

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